ある方から突然質問されました。 「先生、漢字の書き順は間違っていてもいいのでしょうか?気にしなくていいですか? 」
即答で、(いいわけないじゃ無いですか!)と返事はしたものの、では何故?と自問自答。


何故書き順が必要なのでしょうか? アルファベットや、数字には、書き順がだいたいで、決まっているものの、アメリカ人もイギリス人も、日本人ほど書き順を気にしていません。 学校で書き方が間違っていようと、あまり訂正もされません。


漢字検定には10級から 書き順のテストが出てきます。 また書き順ができていない生徒ほど字が汚い傾向にあります。 そして、「ひとを見た目で判断してはいけない」とはわかっていつつも、「字体」で人間的レベルの判断をしている日本人は少なくないと思います。 会社の人事でも然り。


全てがIT化されているこのご時世、書き順がどうとか、どうでもいいじゃ無いか。。 と思いがちですが、実は漢字は長い歴史のなかで、一番綺麗に書ける形を順番にしたもの。 ひらがな、カタカナでも大体の書き順のルールが身につくとどの字も覚えやすいのです。 読めなくても書き順は正しくインプットされます。
漢字も同じく、部位の書き順がインプットされていれば、漢字そのものを「覚えやすく」なってくるのです。


しかし、同時に書き順も時代の流れで変わってきていることも事実。 昭和33年の時点で文部省が常用漢字の書き順を統一するまでは、学校や地域によって教える書き順が違う場合がありました。 親子世代で違う記憶がある場合があるので、もしお子さんが「あれ?」という書き順で書いている場合は一度、調べてから子供に注意することをお勧めします。
また、間違っていると気づいた時には、すぐにその場で5回書き直す。 これは脳と体で記憶した間違いを上書きするプロセスです。 子供であればあるほど、すぐに上書きがインプットされやすいので親が気づいたら、すぐにやらせてあげるといいでしょう。 キッチンの横にある切れ端で十分。同時に親が間違っているとわかったら同じく上書き作業をするのもいいですね。


また、家に国語辞典がなくても、いまはインターネットでも調べられる時代。 親がきちんと「調べる」プロセスを教えてあげるのもいい教育の一環です。 「わからないものは調べる。」世の中間違いだらけで当然。 確かめる事によって他に興味が湧いた時にも、ドンドン調べるように子供達に教えてあげたいですね。