どこの家庭でもぶつかる問題、今回は「お小遣い」です。 さて、小学生以上のお子さんを持つご家庭では、どのように子供のお小遣いの設定をされていますか?
あくまでも個人意見としては、1各家庭「子供と一緒に」話し合って決めるのがベストだと思っており、2「与えるお小遣い」と「稼ぐお小遣い」の両方を使う。3そしてプランニングまでが教育、だと思っています。 私は、税理士でも会計士でもなく、プロのファイナンシャルアドバイザーでもありませんが、そうであったとしても、同じスタンスを取ると思います。これは、何を重要視して、financial literacyについての教育をするかが、家庭によって、文化によって異なるからにすぎません。ただし、親もハワイにいる限りはアメリカのfinancial system, Credit systemを勉強し続けることが必要であり、それを子供達に教えていく必要があります。
アメリカの文化では自動的にもらえる日本式の「お小遣い制度」はありません。「他人のベビーシッター」や「芝刈り」などをして、お小遣いを「稼いで」います。 そう、「お金は稼ぐもの。」という教育の元がここにあります。これは、「資金を取得する」までの教育には完璧です。しかし、注意しないといけないのは、これをいわゆる「お手伝い」に対することで進めては、いけません。宿題をする、テストのスコアを取る、自分のベッドを片付ける、洋服をたたんでしまう、お皿洗いする、食事準備、ゴミ出しなどは家庭に住んでいる限り、当たり前のこととしてやらなくてはいけませんし、宿題や勉強は自分のためであって、他の誰のためでもない。また、「お小遣いもらえなければやらない。」と逆転の発想が出てくるからです。
では、日本の自動的にもらえるお小遣い制度は何がメリットでデメリットなのか? 「お金を手に入れる=資産を手に入れる」ステップが完全に省かれてしまっていますが、次のステップの「使いかた」に重視を置いているのです。 学校に必要なもの(必需品)、お友達の誕生日プレゼント(あげる)、貯金する(ためる)など。 ここで重要なのはこの「使い方」をどのように教育するかなのです。 上記の3点を参考に、お金をわけさせるというのはプラニングの練習になります。しかし、この「準備させる(=budgetを組む)」ことはかなりの高い率のご家庭で省かれている教育の一つだと思います。
日本人は「貯金」することが大好き。貯金文化は日本のように天災が多い国、農業が根強い文化では、生存するために当然の文化であったと、ある脳科学者は報告しています。 しかし、私たちのように国際的な子供達を育てていく上ではそれだけが 全てではありません。 「貯金」は軍資金であり、それを「活用」していく方法を考えさせなければいけないわけです。
5ドル毎週もらえるお小遣いであれば3つの貯金箱に分かりやすいように分ける方法でもいいと思います。プラニングができて初めて正しい使い方を知り、自分の3つのbudgetの中で「借りる」「返す」ことを学べます。貯金額が少し大きくなればそれを「運用」する方法を考えなければいけません。貯金をそのまま自分の好きなものの購入に当てるのは、低学年ならば「目に見える目標設定」として利用するのはいいかもしれません。しかし、理想は「貯金」から「運用」して出た利益で自分の好きなものを購入することがベストですね。
日本女子大学英文科、ハワイパシフィック大学国際ビジネス学科卒業。他州補習校で小学校1年~中学校3年生までの国語・算数教育に携わった経験を活かし、こども学習教室を立ち上げました。「こどもはみんな天才!」を基本理念として、教育黄金期のお子様に”学ぶことの楽しさ”を伝えていきたいです。