日本語を学習していて、客観的な日本語の能力の評価を得るにはどうしたら良いでしょうか。一番良いのは一般に公開されている日本語の能力を審査するテストを受けることです。やはり日本語の学習を続けていく上で、自分の能力を確かめて、自分の能力を向上させるための目標を持つことはとても重要です。下記に現在、一般に公開されている代表的な日本語を外国語として学習する学生に対する日本語テストをいくつか紹介します。
(1)日本語能力試験
日本語能力の認定試験で、日本国内では公益財団法人「日本国際教育支援協会」が、海外では独立行政法人「国際交流基金」が、それぞれ運営している試験です。認定レベルは。N1(上級レベル)、N2(中級後半レベル)、N3(中級前半レベル)、N4(初級後半レベル)、N5(初級前半レベル)の5段階のレベルに分かれ、各レベルで日本語を使ってできる言語行動をリストアップした「Can-doリスト」が設定されています。尺度得点(共通の尺度に基づいて表示した得点)で日本語能力が測られ、総合得点が合格点以上かつ各得点区分で基準点以上に達した場合に合格となります。日本国内では現在、年2回(7月及び12月)実施されています。なお、2016年には、74か国、273か所の都市で約75万5千人が受験しました。ハワイでは、ハワイ大学マノア校で2021年12月5日に試験の実施が予定されています。詳しくは、ここをクリック。
(2)日本留学試験
日本の大学などに入学を希望する外国人留学生を対象として、必要とされる日本語能力及び基礎学力を評価する試験です。2002年から実施しており、現在多くの大学などが外国人留学生の入試選抜に利用しています。試験は、年2回(6月・11月)実施されています。試験は、日本語(200点)、記述(50点)、総合科目(200点)、理科(200点)、数学(200点)のうち、記述以外を尺度得点として能力が測られます。試験に合否判断はなく、合格基準は採用側に一任されています。日本語の科目以外は、希望大学が指定する科目だけを受験すればよく、英語での受験も可能となっています。なお、日本以外の試験会場でも試験が実施されていますが、ハワイは試験会場に含まれていません。
(3)ビジネス日本語テスト
日本語によるビジネス・コミュニケーションの能力をはかる日本語を母語としないビジネス関係者や学生を主な対象とした日本語能力テストです。試験結果は、0~800点の範囲で採点され、点数に応じてJ5~J1+の6段階レベルで評価されます。また、スコアの他に、聴解・聴読解・読解の部門ごとにIRT(項目応答理論)に基づいた統計処理により「能力値」を算出して、1~7までのランクが記載されます。合否判定はなく、受験者の能力の絶対値を測ることができ、能力の変化を客観的に把握できるのが特徴です。この試験は現在、「日本漢字能力検定協会」が主催しています。日本以外の試験会場でも試験は実施されますが、過去にハワイで実施されたことがあるものの、現在ハワイは試験会場に含まれていません。
(4)National Japanese Examination
米国では、2010年から初中等学習者向けの日本語テストNational Japanese Examination(NJE)が始まり、このテストは、米国の学校教育の進度に即して学習レベルが確認できる試験として活用されています。主催の全米日本語教育学会(AATJ)は2013年にNJEの改定を実施しており、現在は大学生も受験することができます。このテストは毎年、2月から4月にかけてオンライン・テスト形式で実施され、全ての受験者に賞(ゴールドレベル、シルバーレベル、ブロンズレベル、努力賞、参加賞のいずれか)が授与されます。詳しくは、ここをクリック。
どうですか。子どもが折角日本語の実力を身につけてきているわけですから、実力を客観的なテストで評価してみるのはどうでしょう。子どもが合格あるいは良い点を目指すことで、さらに自らの日本語の能力向上の励みになります。
マハロ!