ワシントンD.C.では、目的地の訪問にグーグルマップが重宝しました。目的地への経路を表示させると、地下鉄やバスの時刻までも提示され、クロスカントリーをしながらあたかも宝探しをするような感覚でした。地下鉄は、混雑することはなく、構内もすっきりしていました。車内も清潔で運行の電光表示盤も分かりやすく、日本の鉄道システムに似ているので、興味深く車内をよく見回すと電車は川崎重工製と表示されていました。改札も日本と同様、スマートカードをタップして乗り降りしました。滞在中は、地下鉄とバスの共通カードを利用していたので、清算の手間がなく、移動はとても楽でした。但し、道路を歩いていると、多くの人が信号を守らない姿には閉口しました。子どもに教える立場としては、子どもに守って欲しいことは自分も守ることにしているので、なぜ数十秒を待てないのか少し苛立ちました。他州から来たと思われる隣の黒人男性と「文化が違うね」と言葉を交わすと笑顔で頷いていました。また、街の移動には、自転車だけでなく、電動キックボードを利用する人が多かったですね。定められた置き場所がないので無造作に路上に乗り捨てられ、歩行者の邪魔にならないかと心配しましたが、これは今後の街の新しい移動手段のようです。電動キックボードは、リフトのアプリで地図上に空き状況が一覧表示され、空いていれば誰でも利用することができます。街を実際に歩いて散策するのが好きですが、妻は歩くと疲れるので次回は使ってみたいと意欲的でした。
本日の目的地は、リンカーン記念堂です。米国の「奈良の大仏」と思っていましたが、リンカーンの石像は意外と小さかったですね。ここから、ワシントン記念塔、国会議事堂などを直線で結んだ公園が目の前に広がり、全てが一望できるようになっていました。折角なので、議事堂まで歩くことにしました。但し、日差しが強く、湿度の高い蒸し暑い空気の中で二重マスクをして、数年振りに聞く蝉の大合唱がとても悩ましく、久しぶりにハワイで経験することのない夏を肌で感じました。日陰のベンチを見つけては休息を取りながら、噴水のある第二次世界大戦記念碑、ワシントン記念塔などを見て国会議事堂近くまで歩きました。国会議事堂は現在見学できないとのことだったので、ここでワシントンD.C.ウォークは終了です。なお、後日、巡回バスを利用して、車窓からこの地域の記念碑を外苑から眺めました。暑い中十分歩いたので、本日はこれまでにしてホテルに帰りました。
翌日、ユニオン駅前にある国立郵便博物館を見学しました。米国の郵便の歴史、各種切手の紹介、郵便配達の歴史など郵便システムについて様々な展示がされていました。広大な地域に配達するための郵便列車による線路での郵便の受け渡し方法についての、とても興味深いビデオでの説明などがあり、展示を楽しむことができました。これだけ電子メールが発達しても、郵便は日常生活において重要で、いかに郵便物を正確安全に届けることが大切かは、最近、日本の郵便局でコロナのクラスターが発生して、郵便の配達が困難になったことにより地域住民の日常生活が困っているとの報道からも伺えます。また、歴代の切手を検索して、好きな切手の画像を自分のメールアドレスに送れるサービスがあり、興味のある切手の画像を集めてみるのも良いですね。
その後、国立日系米国人記念碑を訪問しました。第二次世界大戦に日本人を祖先に持つということだけで、抑留キャンプに収容された日系人の歴史を忘れないために建立されたもので、鶴が有刺鉄線に巻かれて身動きが取れなくなっている姿の銅像が公園の中心にありました。ハワイでは、日系人コミュニティーがかなり大きく、全ての日系人を収容できる施設がなく、また、社会に混乱をきたす恐れがあったため、抑留施設に収容されたのはごく一部の日系人でしたが、米本土の日系人は殆ど全てが強制的に抑留キャンプに収容されました。
ユニオン駅には、日本のような駅前商業施設がなく、店舗もわずかで閑散としていて、少し寂しかったですね。駅のカフェテリアで、ハワイのポケ丼と称する丼ぶりものが売られていましたが、野菜と刺身が盛られた丼ぶりで、ハワイのポケ丼とは全くの別物でした。ということで、本日の夕食はワシントンD.C.の中華街で評判の高い点心料理の店のテイクアウトにしました。
次回は、ナショナル・モールにある国立博物館などを紹介します。
マハロ!